カナリアの原種について

京都ローラーカナリークラブ
                                        英国鳥類大百科事典より

Serin(セリン)フインチは非常に多大な種を有する属の一つである。Serinフインチは小さく通常緑色が
かった黄及び茶かっ色で、しばしば背に縞があり、そのくちばしは短く強く尾は少し分枝している。
主にアフリカ産で、30種のうち27種はアフリカ産でその多くは広範に分布し多くの亜種を有している。

1.SERIN(SerinusSerinus:セリニュスセリニュス;体長(約)11cm、体重約12g)

2・CANARY(Serinus canaria)、しばしばSerinと同種と考えられることがある。雄は胸が黄色背は灰色、
雌は茶色で一般に濁った色である。原産は西カナリ-諸島、マデラ及びアゾレス諸島でバミューダ諸島にも広まった。

3.CITRIL FINCH:チトリルフィンチ(Serinus cintrinella:セリニュス チントリネリア)中部及び南ヨーロッパに見られ
1700m以下の場所にはめったに見られない。

4.WHITE−RUMPED SEEDEATER:ホワイトランプドシードイーター(Serinus Peueopygius:セリニュスビュコビギウス)
はセネガルからエリトリアにかけて一般に見られる。

5・YELLOW−FRONTED CANARY:イエローフロンテイドカナリ-(Serinus mozambicus:セリニュスモザンビークス)。
亜種のcaniceps:キャニケブスはセネガンビアから北カメルーンにかけて見られ、他の亜種は、サハラ砂漠の南に見られる。

6・YELLOW CANARY(Serinus flaviventris:セリソスフランビベソトリス、体長13cm)、明るい黄色で 
主に南アフリカに見られる。

一般にSerinは低木のある広地或いは林のある(特に果樹)耕地に見られる。
ヨーロッパには2種のみでSerin及びcitrilフィンチが存在する。Serinは通常耕地の瑞を占め都市の
公園や庭園によく見られる。その北方進出はすでに7巻、第1章で述べている。餌は通常、
林から遠くないところで地面よりとる。主に雑草の種である。巣は通常、地面より2〜3mの木の上にある。
産卵期は北アフリカでは3月頃より、南ヨーラッパでは4月より始まり、中部ヨーロッパでは5月である。
1年に1回以上、産卵する。Serinに大変近い野性のカナリアは現在のすべての家禽のカナリアの祖先である。 
D・Bannerman:バナーマンの著書にどこにいるのかわからないがカナリアはその鳴声でいるのがわかる
…Gran Canaria:グランカナリアやTenerife:テネリフほんの2〜3時間も費やせば、
Tacoronta:タコロンテやSanta Brigida:サンタブリジダを散歩してみればユーカリの木でカナリアが
さえずっているのがきっと聞こえるでしょう。その歌声を聞き姿を見るには春先に果樹園を訪れることだ。
羽毛はふさふさとしていて雄があちこちでさえずっている。耕地や低木によく見かけ、果樹は産卵期には
欠かせないものである。沿岸地域は3月末頃に産卵するが、高山地域では
6月或いは7月までは産卵しない。
スペインが1478年にカナリー諸島を征服し、すぐにカナリアを多数ヨーロッパに持ち帰った。
この永久に人気のあるカゴ鳥の貿易は急速に発展し有名な明黄色の家禽のカナリアや
その他数種の色んな色のカナリアが繁殖された。
赤カナリアはその祖先と色を赤まひわ(siskin:シスキン)との内交配より得ている。
今日、カナリアは世界中の家庭で特によく小さい部屋で熱心に鳴いているのが見られる。
選択的繁殖の結果、どの種類も色・形が変わった。このようにして明黄色、金黄色、麦黄色、
ベージュ、橙黄色、赤黄色そして赤カナリアが生れ、又斑点のあるもの、部分的に色の違うもの、
そして、とかげ様の縞のあるものも生れ、シナモン色のものも以前は英国で人気があった。
頭は丸く冠毛があるもの、えりの部分に長い羽毛とマントの様なふさ毛をもったものもいる。
又その鳴声によって区別することもできる。特に“Harz Mountain Roller:ハーズマクンテンローラ−”は
西独では最も有名である。Harz地方への旅行者が増え、旅行業の方が利益が高いため、
この種のカナリアの繁殖は減ってしまった。
今でさえ、このラジオ・テレビの時代でさえ、強く大きくころがる様なそして、
ささやきさえずるカナリアの歌声は家庭の色を添えるとE・Thomas Gillard:トーマスギラード 
及びGeorg Steinbacher:ジョージステインバッハ−はいっている。
この2人の動物学者の言葉をかりれば、カナリアは家庭で飼われ、その繁殖が数えきれない程の
愛鳥家の趣味となって、初めての鳥である。



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